映画 8

 

初めて新海監督の作品を観た。

地震に対する根源的な(立ちすくむような)恐怖と、アニメーションの躍動感とのギャップが、最初、自分の中でうまく噛み合わなかった。

ネコがしゃべったり、人が椅子になったり、ファンタジー色も強くて、どれだけ現実的な感覚で受け止めればいいのか、よくわからないまま映像を眺めていた。

 

草太さんの潜在意識が海の底に落ちるシーンで、スーッと物語に入り込めた。

不安を吐露し、セピア色の風景に飲まれる姿を見て、自分も切実な気持ちになった。すずめに行く末を託す気持ちになった。

 

ダイジンからしたら、すずめは人柱の役目から解放してくれた恩人でもあるけど、すずめ達にとっては厄災のもとのような存在になってしまった。それを理解し、受け入れ、要石の姿に戻った…っていうのが哀しいなと思った。

常世の混沌を鎮め、現世の平穏を保つために、誰かが人身御供にならなければならない」という結末は、『ブレイブ・ストーリー』を連想させ、より苦しくなった。(ちょうど先月読み返して、涙したところだったのでよけい…)

 

いろんな要素が詰め込まれていて、難しさもあったけど、考えること、感じることも多かったです。

 

ありがとうございました。