2021年読み納め (本 3)

 

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伊坂幸太郎・選の短編アンソロジーです。

赤い「オーシャンラズベリー篇」ともう一つ、青色の「ノーザンブルーベリー篇」もあったのですが、とりあえず先にこっちを入手。イラストとタイトルがマッチしてて、かわいくていいなと思います。

初めて読む作家さんばかりで面白かったです。並び順ではなく、気になった順に読み進めました。

一番心に残ったのは、4番目に読んだ「悟浄歎異」です。

河童も、星を見て寂しくなることがあるのか。他者の心に燃え盛る火を感じ、うらやましくなったり、近づきたくなったりするのか…。空想上の生き物なのに、自分と一緒のように感じて、切ないような温かいような気持ちになりました。

人はいろんな感情を持つけど、寂しさや孤独を表現するのは小説が1番向いてると思います。というか、私はそれを求めて・知りたくて本を読んでいるなと改めて気づきました。

 

話は変わる。自分の中で、「沙悟浄=女に刺されかけたイケメン」というイメージが強く(アニメ最遊記)、そんなチャラ(?)沙悟浄が、この小説のように、孤独を持て余していたとしたら…。ひとり、星を見上げる夜があったとしたら…。

何それ、萌えるじゃ〜ん! さっきまでの儚さから一転、胸きゅんシーンにモードチェンジ。読みながら脳内映像を作り上げ、自由に物語を楽しめるのも小説の良いところ。

これから夜道は、中島敦沙悟浄・私・最遊記沙悟浄の順で川の字になり、「星空を眺め、静かに語らう図」を想像して帰ろうと思います。

 

以上で終わります。ありがとうございました。