本 10

 

私はおまへのことを思ってゐるよ。

いとほしい、なごやかに澄んだ気持の中に、

昼も夜も浸ってゐるよ、

まるで自分を罪人ででもあるやうに感じて。

(無題 Ⅳ) 

 

私の上に降る雪は

熱い額に落ちもくる

涙のやうでありました

(生ひ立ちの歌 Ⅱ)

 

地球が二つに割れゝばいい、

そして片方は洋行すればいい、

すれば私はもう片方に腰掛けて

青空をばかり──

(この小児)

 

❇︎

数年前?もっと前?に、祖父にもらった。「いずれ処分する」と紐で縛られた束の中から、選んで持って帰った。

残りは時代小説とかで、すぐに読めそうになかったから置いてきたけど、もっと吟味すればよかったかも。